たなぱんだ "経済学レシピ" 2025年2月5日

経済学レシピ
経済学レシピ
ハジュン・チャン,
黒輪篤嗣
オクラやチョコレート、コカ・コーラなどの食品にまつわる小噺を枕にしながら、経済学の考え方を解説する奇書。 奇抜な構成とは裏腹に、紹介される経済学の考え方は非常にオーソドックスだと思う。とくに、経済成長論や開発経済学関連の話題を扱った前半なんかは、去年のノーベル経済学賞受賞者のアセモグルの思想(経済発展に重要なのは、法制度や統治機関、経済政策などの "institution" だ)に通ずるところがある。 体系的に勉強する目的には合わないけれど、「ざっくりと経済学の考え方を学ぶ」ための読み物としては良書。 食品にまつわる小噺の部分も、うんちくに溢れていて面白い。著者が韓国出身の経済学者なので、とくに韓国の食事事情についての理解が深まる。 ・例:2010〜17年の韓国人のひとり当たりのにんにくの消費量は年間7.5キロで、イタリアの10倍以上。 文章は平易だし、翻訳も自然で読みやすい。各章コンパクトにまとまってるし、それぞれの章は独立しているので気になるところだけつまみ食いもできる。
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