
たなぱんだ
@tanapanda
2025年1月29日

楽園の楽園
伊坂幸太郎
読み終わった
感想
ネタバレなし
単行本ながら100ページほどの短編。ファンタジー的な要素を織り交ぜつつ、大規模停電やパンデミックによって混乱した世界を描いたSF作品。
設定は長編小説向きな気がするし、読後すぐは「これは長編で読みたかったかも...」という印象を持った。ただ、作品全体がメタファーに溢れていて、寓話的な作風をとっていることを考えると、「大人向けの絵本」としてコンパクトに仕上げたのも納得できる。この点は評価が分かれる気がする。
いずれにせよ、いつもの伊坂作品のような即効性のある面白さというより、何度か読み返しながらじっくり咀嚼したい作品だと思った。
ちなみに、「伊坂幸太郎デビュー25周年記念」と銘打ってるだけあり、デビュー作の『オーデュボンの祈り』を想起させる記述とかもあったりして、ファンサービスはしっかりしてる。
本の造りが美しいので、(買うかどうかは別として)書店で見かけたらとりあえず手に取ってみて欲しい。これは買うなら絶対に紙版だと思う。
