
ジクロロ
@jirowcrew
2025年12月15日

風に吹きはらわれてしまわないように (ちくま文庫ふ-42-2)
リチャード・ブローティガン,
松本淳
ちょっと開いた
「ママ、パパはどこ?」
「星を見てるのよ」
「ママもパパが嫌い?」
「そうよ。私も嫌い」
「ママ、大好き。どうしてだかわかる?」
「どうしてなの?」
「ママもパパが嫌いだから。パパが嫌いって、すてきじゃない」
「そうよ」
「どうしてパパはいつも星ばかり見てるの、ママ」
「ろくでなしだからよ」
「ろくでなしって、星を見るの、ママ」
「パパをごらんなさい」
いまや父親となったあの子は屋根裏に望遠鏡を設置していた。いつも星座をまちがえていた。オリオンがどれで北斗七星がどれだか、いつまでたってもおぼえられなかった。
p.107
こんな父親になりたい。
星ばかり見ているだけで、息子が母親との絆を深めゆく、そんな父親に。
「パパが嫌いって、すてきじゃない」
父のいない日常に、そんな詩が吐ける息子に。

