
saeko
@saekyh
2025年12月15日

虚空へ
谷川俊太郎
先日、祖母を見送った。
言葉にできない気持ちでいっぱいで、驚きなのか、哀しみなのか、喪失感なのか。心の準備はできていたからか、思ったより穏やかに受け止められているなと思う時もあれば、不意に涙が流れる瞬間もある。
人が旅立つ瞬間を共にするのは初めてで、あまりにも生と死が地続きで、その境の曖昧さを思い頭がぼうっとしてしまう。こんな時だからこそ思索できることがあるはずだと思い、自分にしては珍しく詩集に手を取った。
十四行の言葉少なな詩。普段好んで読んでいる学術書たちとは対照的なひろい余白。それなのに情報がひろがっていく。まるで森の中でゆっくりと深呼吸をしているかのような、言葉を通して自分の心の内奥に思いを馳せられるような探究の時間。こういう時のために、人には詩が必要なんだなあと思った。
今読んでよかった。今じゃなきゃ読めなかった。



