
汐見
@siomi250927
2025年12月16日
透析を止めた日
堀川惠子
読み終わった
audibleにて。
夫の透析の闘病記録を綴った第一部、透析患者の緩和ケアや終末医療の現状を記した第二部。
当事者且つジャーナリストである著者だからこその、当時の記録や丹念な取材に基づく現状への問題提起がある。特に第一部はもちろん感情面もあり、それはノンフィクションに不必要なものではなく、当事者の切実な思いとして重要な記録だと思った。
透析を止めたら苦しみながら死に至る、一方で毎週3回の透析を生きている間永遠に続けることの苦しさもある。
現状では緩和ケア=がん患者のみが対象の場合がほとんどということに著者と同じく驚いた。
死への苦痛を積極的な鎮静で取り除く「安楽死」は認められておらず、透析患者が透析を止めることは苦しみながら死んでいくことを意味する。
一方で過剰な延命措置を行わない「尊厳死」には多くの人が賛同するが、尊厳死の先にまるで安らかな死があるかのように錯覚されていて、尊厳死と安楽死が混同視されていることが問題、という一連の内容もすごく印象に残った。
また、「死の一瞬に尊厳を見出すのではなく、死に向かう生に尊厳をもてるように」と終末期の患者の支援を目指す医師の言葉など。
透析患者の、まずは現状を本書で知ることができると思う。多くの人に読んでほしい。



