
たご
@clan_1967
2025年12月18日

人間失格
太宰治
読み終わった
再読
最後のマダムの言葉は、どういう意味だろう。手記は子どもの頃の回想から始まっているが、決して子ども時代に書いたものではなく、酒と薬に溺れ「狂人」となった彼が、あの頃の自分のほんとうの思いは、と過去を振り返りながら告白したものである。周囲の人から見た彼と、手記に登場する彼との違いはそこにあるのではないか。つまり、手記を書いている彼にとっては、過去の自分すべてが、今の「人間失格」の自分に通じるような不潔で罪深いものであるように思われ、そしてそれは、本来の彼の過去とは必ずしも一致しない。彼がそのように思い込んだ原因には、マダムのいう葉蔵の父の強大さが何かしら関係している。
世間も、家族も、わからない。それと同じだけ、自分自身も、わからない。これはそういう告白だったのではないか。


