はぐらうり "BOXBOXBOXBOX" 2025年12月19日

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坂本湾
文藝賞受賞にして芥川賞候補作。不思議な作品だった。 いかにも文藝賞という次世代感がありつつも、芥川賞候補になりうる読みやすさも持ち合わせている。なにかが起こっているわけではなく極めて日常のお仕事小説でもありつつ、でもなにかは確実に起こっている、というサスペンス小説のようでもある。 中村文則が『銃』で出てきたときのような感じ。言語化ができなくてもどかしいけれど。あの頃はまだ感受性も豊か過ぎたのでかなり衝撃だったし、むしろ嫌悪もあったけれど、今この小説に近しいものを感じているのに、好感がある。 年齢を重ねることで受け止める土壌が広がることもあるんだなぁと思うと同時に、文藝の幅広さに慄くなど。 商品説明の「ベルトコンベア・サスペンス」に、何を言ってるの、と、サスペンスに落着させて良いのか、という思いもありつつ、令和の蟹工船とか言われても陳腐だなぁ、となってしまうし、表現が難しい。 とにかく読んで損はないので多くの人に読んでいただきたい。
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