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@bunkobonsuki
2025年12月20日
言語化するための小説思考
小川哲
「"誰が"言語化するのか?」
タイトルを見た時、それが気になって仕方がなかった。書き手?読み手?
答えは読んでみてすぐに分かった。表紙の上にある「小川哲」である。
本書は「著者が自分の文章術を解明する本」という内容になっている。文章術の暫定解を作家が導き出そうとする様が、読んでいて楽しい。
何より、勇気がある。
普通、文章術ではお手本の文章を引用する。そうした方が読み手に納得感を与えやすい。
だが、著者はあえてとことん自分の文章で勝負する。それでその例文が面白い。
例文として小説の文章が数行挿入されるのだが、それがまた興味をそそられる内容で、正直、本の内容よりそちらの続きを読みたくなってしまった。

