
みっつー
@32CH_books
2025年12月20日
##NAME##
児玉雨子
読み終わった
何がしたいとか、何がやりたい、という気持ちって、大体いくつくらいの時から芽生え始めるんだろう。
小学生の頃、水泳を習ってる子がいた、塾に通っている子がいた、若くして政治家になりたいと言っていた子もいた、ピアノを習っていて、書道教室に通っている私がいた。
大人になって、それらの習い事や、夢を、そのまま、大人になった後も持ち続けている人は、少ないように感じる。
物心が付くのって、何歳なんだろう。
自分の意思で、本当の意思で、未来の自分に決意を固められるようになるのって、何歳なんだろう。
意思は、人に決められたり、流されたり、ノリだったり、何かを我慢しなくちゃいけないという理由でやめたり、その決定は揺るがされる事がたくさんある。
意思は固めると、もう戻る事が出来ないという責任を負わなくてはならない気持ちにさせられる。
だから、決意するということは、とても怖い。
『##NAME##』の主人公である雪那は小学生の時、たまたまスカウトされた芸能事務所に入所し、そこで水着を着て撮影したり、レッスンを受けたり、オーディションを受けたりし始める。
所謂、ジュニアアイドルという職業だ。
児童が水着を着てはしゃいでいる写真や、イメージビデオ、時にはプロではなく一般の人の前でカメラのシャッターを切られるというお仕事。
時を経て、雪那は中学生になり、自分のやってきたことが原因でいじめを受ける。
大学生になり、周りも大人になって、直接は言わないけれど、雪那自身の過去に触れづらく、距離感を測っているような様子がある。
彼女がやってきたことは世間一般から「闇」と語られる事が多い。
大人たちが児童を性消費に利用し、それが児童売春・児童ポルノ禁止法違反の制定で、その「闇」はより濃く影を落とした。
雪那のことを「かわいそう」だと人は言った。
被害者だとも言った。
ただ、彼女はそこで生きた。
そこで学んだ社会があった。
そこに存在した絆があった。
それらをアイデンティティを否定する言論を、多くの人は持ち合わせていない。
簡単に口に出してしまう「闇」という言葉、その言葉は誰に向けられ、誰の心に届いているのか。
意思決定という行為はあまりにも眩しくて、残酷だ。
その先の未来は誰にも分からない。
ゴールは自分で決めるものだ。
自分が決めたことを、他人が否定して良いわけがない。
不安で、もう戻ることが出来なくても、選択した事が正しかった事になるまで。
自分の意思でこの先の未来を突き進んで行こう。


