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13件の記録
- はなつめ@hanatsume2025年7月27日読み終わった児ポについて、当事者目線から語るお話。時代の移り変わりや親の思想、そして名前が主人公を蝕んでいく。二次創作について言及されていたけれど、彼女が自分の名前をつかう後ろめたさを感じている様がうまく表現されていて、最後のシーンが腑に落ちた。文体がやわらかく、すらすらと読める一冊。
- amy@note_15812025年3月15日かつて読んだ感想児玉雨子さんは初めて読んだのだけど、好きな作家さんだ。テーマの切り取り方も文体もかなり好みだ 人の無遠慮さを描くことにためらいがなくて、目をそらしたくなるような言動が主人公にぶつけられて雑な扱われ方をされ、それに慣れていくことにこちらも疲れてくる。そう思った矢先に「傷つくことに疲れてきた」という一文が飛び込んできて、主人公とシンクロしているような作者にこちらの心が読まれている気持ちになった いま私たちは増やそうと思えば容易に名前を増やすことができる。SNSだって複数アカウントで作れるし所属するコミュニティによって名前をつけかえることができる。そのコミュニティで呼ばれるその名前は間違いなくそこでしか通じないものだ。同じようにその人だけに許す呼び方もある。恋人や友人、親やきょうだいなど関係性によって呼ばれ方が変わることもある 主人公ともう1人の女の子の名前の呼び方は、私とあなただけにしか通じない言葉として立ち上ってくる。なぜそう呼ばれたかったのか、なぜそう呼べなかったのか。たかがあだ名(呼び方)かもしれないけど、二人の関係性の輪郭を作るとてつもなく大切なものだで、でもそれに気づけなかった どうにもならないけど、たしかにあのときつながっていた。それを寂しく、眩しく思う瞬間はきっと誰にでもある
- talia@talia0v02023年12月1日かつて読んだ『ハンチバック』と同じ年の芥川賞ノミニーです。 発売当時読んだ作品で、印象的だった作品です。 一見奇異に見えるタイトルはピンとくる人はくるその通り、名前変換のアレです。 ジュニアアイドルとして働いていた主人公の過去や、それらが明るみになった時の周囲の反応は、昨今のニュースや「作者と作品の人間性は切り離すべきか」の議論と重なる部分もあって、でも決してそれらの姿勢を糾弾するわけでなく、ただただ当事者の視点から描かれるのがグッサリ刺さる話でした。 主人公がハマっていたという設定で出てくる夢小説は、正直何でコレなんだろう(よくある携帯小説や二次創作の対象になる少年マンガじゃダメだったんだろうか)と思ったけど「なるほど〜〜〜」と唸るラストでした。 作中間違いなく見せ場のひとつであろう、夢小説の中のシーンで出てくる台詞がすごく好きです。