
花木コヘレト
@qohelet
2025年12月21日

キリストと性
岡田温司
読み終わった
図書館本
キリスト教
イエスに救いを求める立場としては、本書をそのまま受け入れるわけにはいかないです。でも、本書のような、異端の紹介本を、肯定するか否定するかと言ったら、肯定するほかないと思います。必ず誰かがそれにより縋っていたからです。
ただ、ユダにしろ、マリア様にしろ、その取り上げ方は一面的だなあと思いました。たとえば、ユダの裏切りは、聖書を読むものなら大抵のものは、自分自身を投影させて心苦しむものですし、それをわざわざ、ユダに栄光あれ、と声高に叫ばなくても良いと思います。皆が皆、ユダを心に抱えて生きていると、私は思うからです。
マリア様にしてもそうです。男は(女も)すべからく女性から生まれたものとして、男は女性性を尊ばなければならないものですが、これもかと言って、イエスを女性性として捉えるところまではいかなくても、十分救いの余地は残されていると思います。
でも、こういう風俗的、土着的な信仰も、やはり尊ばなければならないところがあると思います。必ず誰かが救われていると思うからです。ただ、これらの土着信仰をそれぞれ大真面目に捉えていたら、今度は身がもたなくなると思います。
ですから、私としては、筆者の浩瀚な知識に舌を巻きましたが、やはり、マイノリティの叫びと、正統の教えは、バランス良く摂取すればいいのだなと、結論を得ました。
留保付きではありますが、キリスト教への視野が広がる、好著だと思います。

