
紬
@tsumugu
2025年12月21日
52ヘルツのクジラたち
町田そのこ
読み終わった
audible
生育家庭に恵まれず、理不尽で凄惨な虐待に助けてと声を上げることもできず、声にならない声を誰にも気づいてもらえないまま、孤独に心を固くして生きてきた人たちが、聞き取ってくれる存在がバトンのようにつながり、少しずつ周りとつながっていき、自分の人生を歩み始めるまでの物語。
このところ、「世間」の恐ろしさを感じさせる本を読むことが続いていたので、田舎の閉鎖的な社会の中で、まっすぐ声を上げながら、少しずつ居場所を作っていく主人公のありようや、それを受け入れていく周囲の態度の変化に、じんわりとした希望を感じた。
人間の心はコインの表裏で、相手がこちらを自らの内側に置くか外に置くかでその態度が決まるが、自分がどうありたいか、どの面とどう付き合いたいか、何とは付き合いたくないかといった自らの意思が、一番土台にあり、どこに身を置くか、よりもはるかに大事なんだと。
人とつながるためには、自分を抑えて合わせることではなく、まずは自分を確立することが大切なんだと。
そのためには、まず最初に、人との温かい関係性の中で相手から与えてもらうことが不可欠なんだと。
そんなことを感じ、涙があふれ、私自身まで癒される気がした。





