
和月
@wanotsuki
2025年12月21日
かがみの孤城
辻村深月
読み終わった
心底、この作品を中学生の頃の私に読ませてあげたいと思う。
大人になった今読んでも、救われた気がして涙が出た。
こころちゃん達のような窮地に立たされなかったとしても、中学生ってすごく難しい年代だと思う。小学生より視野が広くなり、他者の言動や思惑に一段と敏感になるけれど、教室という狭いコミュニティに隔絶されていて逃げることが困難。ただその地域にいた同年代というだけで、馴染めないと排斥される。
あの独特の息苦しさや心の機微を、この作品はとても丁寧に描写していて、胸が打たれた。
例えば、こころちゃんから見る大人達。お母さんも喜多嶋先生も伊田先生も、こころちゃんを気遣って声をかけるけど、当初こころちゃんはどの言葉に対しても不信感を抱く。自分の言葉を信じていないのではないか。仕事だから形式上声をかけているだけではないか。そうして疑っていても、実際に裏切られると酷く傷付く。
疑わしいから期待しない。そもそも最初から信用しない。傷つかない為に割り切ったり、諦めたり、大人になると段々と身に付いていく受け止め方は、彼等にはまだ無い。
終始その純真な繊細さが、もう手に入らない姿のように感じられて、眩しくて痛くて尊かった。
スバルくんは少し大人に近付きつつあるのか、達観や諦念がチラつく時もあったけど、他の6人の影響もあって彼らしい着地点を見つけられて良かった。マサムネとスバルの会話は本当に泣いた。
好きな場面は、ウレシノがマサムネ達を校門で待つところ。ウレシノらしいおおらかさを感じて、この子が健やかに過ごせる世界で、また7人が揃って笑い合える日がくればいいなと思った。
年末にとても素敵な作品を読めてよかった!




