"存在の耐えられない軽さ" 2025年12月23日

波
@namireads
2025年12月23日
存在の耐えられない軽さ
存在の耐えられない軽さ
ミラン・クンデラ,
千野栄一
*過去の読書記録からの抜粋 2023/05/22追記 人間存在の軽さ重さという哲学的な命題があって、その論考としての物語がある。またはその逆。どちらでもいい。クンデラがこの小説のなかで伝えようとした事の意味が分かってきた気がして、クンデラ自身の経歴とか歴史的背景とか調べていくと知らなかった事がたくさんあって、小説を読んで理解できなかった部分がいろいろ腑に落ちてまた涙が出てくる。祖国を奪われるとは本当はどういうことなのか。日本が好きだけど、日本人であることにコンプレックスがあって、物質的な本物志向は高いけど精神面でイミテーションというか(キッチュ思考のメタ構造)見せかけっぽいことなんかがもう世界にはバレてしまっていて読んでるとそういうようなこと、幸せについて考える。 2023/05/24追記 サビナに落ちてきた「存在の耐えられない軽さ」にシンパシーしかなくて、この約5ページを暗記するくらい読んだ。何度も何度も目に入れて心に全部しまい込みました。 誰に対する責任もない人生。この開放感という名の存在の軽さ。生きることは逃げること。裏切るものがもう何も残っていない、その時になってようやく気付くことがある。裏切った。本当にそうだったのか?捨てたと思ってきたもののすべてに本当の意味で「捨てられた」のは、実は自分の方ではなかったか。 まとわりつくこの「耐えられない軽さ」。この感覚を孤独と呼ぶこともできますか。でもそれは影のように当たり前に寄り添い過ぎていてもう分からない。サビナのこと、とても近くに感じる。 2023/05/25追記 トマーシュとテレザの愛は悲劇的ではあっても悲劇ではない。人はいろいろ考えてしまって自分から不幸になりに行きがちだけど、二人がこの場所にたどり着いたことをよかったと思える。サビナに送られたシモンの手紙。その中にいる二人の幸せなイメージと愛おしいラストシーン。読み終えた本を私はいつまでも抱きしめる。 いろんな気持ちが渦巻いたのだなぁ、2年半前のわたしよ。今もずっと、特別な一冊。
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved