
読書日和
@miou-books
2025年12月23日

本当にはじめての遠野物語
富川岳
読み終わった
朝ドラは見ていないのだけれど、今はちょっとした小泉八雲ブームなのでは?!
怪談そのものではないけれど、「民俗学」「聴き語り」と聞いて真っ先に思い浮かんだのが遠野だった。去年の岩手旅行で、遠野の「とおの物語の館」で購入し、そのまま積読していた一冊。
急に読みたくなって引っ張り出したのが、この
全編カラーで読む『遠野物語』解説の本。
『遠野物語』の作者といえば、言わずと知れた柳田國男。
けれど、そもそも『遠野物語』は、柳田が遠野を訪れる前から構想・執筆が始まっていた。
33歳の若き官僚だった柳田は、九州・椎葉村を訪れた経験から民俗学に強く惹かれ、「九州と対になる場所」として東北に関心を持つ。
そこで出会ったのが、東京で学んでいた“日本のグリム”こと、遠野出身の佐々木喜善(キゼン)――当時22歳。
喜善は「お化け話をしただけ」と語っていたそうだが、
柳田はその語りにすっかり魅了され、話をねだり続け、やがて執筆を開始する。
それが『遠野物語』誕生の約2年前のこと。
1910年(明治43年)、自費出版で350部発刊。
河童や座敷童子が有名だが、内容はそれだけにとどまらない。
山の神、家の神、山男・山女、動物、幽霊、風習――
全119話に、当時の人々の世界観がぎゅっと詰め込まれている。
『遠野物語』の最大の特徴は、
小説でもファンタジーでもなく、「本当にあった話」として語られていること。
実在した人物が、特定の場所で体験した出来事として記録されているため、
実際にその土地を訪れると、今でも物語の中に入り込める感覚がある。
刊行にあたっての柳田の序文、
「願わくはこれを語りて平地人を戦慄せしめよ」柳田先生、戦慄していたんですね。改めて『遠野物語』をじっくり読みたいと思います。

