
数奇
@suuqi
2025年12月23日
雷と走る
千早茜
読み終わった
幼い頃、父の赴任でアフリカで暮らすことになった主人公が「ガードドッグ」として飼っていた「虎」と名付けた犬との回想。日本と違って治安が悪く犬の役割が大きく異なる国で、犬と人間の関係性の本質に迫るようなお話だと感じた。その思い出に引きずられ、日本に戻り大人になった今も愛を上手くつかめずにいる主人公の繊細な心の描写にも惹かれる作品だった。
ただ、主人公以外の人物が全員好きになれなくて、微妙にズレを感じて没入しきれないところもあった。恋人も少し怖く感じてしまうし、父親は勝手すぎるし、弟が保護犬を勧めてくるのも理解できず。家族のバックボーンがもう少し描かれれば違和感も和らいだだろうか。切なさや感動よりモヤモヤが残り、文章やテーマが良いだけに惜しいと感じてしまう。





