
-ゞ-
@bunkobonsuki
2025年12月23日
流浪の月
凪良ゆう
誘拐された人間が、誘拐犯を好きになる。
こんな事態が起きた場合、現代人はこぞって『ストックホルム症候群』なる言葉で解決しようとする。
主人公・更紗は幼い頃に一人の男と出会う。大学生の彼に心ひかれ、少女は自ら誘拐を希望する。やがて更紗は警察に保護されることになるのだが、この時の周囲の反応が印象的だ。
型に嵌っているのだ。
周囲は更紗に起こったことを理解しようとする。更紗が男に寄せていた好意すべてを『ストックホルム症候群』として処理する。
理解しているふうでいて定型文に囚われた人々。
私は、主人公たちを通して歪な世間を見た気がした。



