しば
@shiba_reads
2025年12月25日
バタイユ入門
酒井健
読み終わった
『エロティシズム』『〜魅惑する思想』を読んだあとだと理解度は多少上がった気がする。こちらは『〜魅惑する思想』とは違い時系列で著作がまとめられているので、時代背景とバタイユの思想および政治的立場の推移がわかりやすい。
子供が未来など考えずに行う遊び行為のような、目的や企図に従属しない無意味な力(フォルス)の噴出が生み出す他者とのコミュニケーションの可能性に向き合い続けているところが面白いと思う。そしてバタイユはそれをひとつのフェチズムにとどめてはいない。アウシュビッツの大量虐殺や原爆投下などの歴史的事実の背後にも、理性によって押し留められなかった力(フォルス)の存在があるとする。理性と統一的な自我を重視する社会において、個人の枠を破壊する力(フォルス)のパワーに目を向け続けることは確かにクィアな試みであり、現代においても彼の思想には非常に意味があると思った。

