
和月
@wanotsuki
2025年12月25日
月の影 影の海(下) 十二国記
小野不由美
読み終わった
観劇前日に読了!どんな風にミュージカルとして再構築されるのか楽しみ。
上巻とは打って変わって光が射す展開。前半部分でどん底まで落とすことで、裏切り傷つけられ続けた陽子は他者を信じられなくなる。
疑心暗鬼の状況で現れる楽俊は、文庫の帯を見ている読者としては「信じていい存在だよ!」と陽子に訴えたくて仕方がない。荒みきった陽子にはその真心がなかなか届かず、ようやっと楽俊を「友」と認める場面は、読んでいて思わず泣いてしまった。
特に心に刺さったのは、楽俊や蒼猿との対話を経て陽子が自分の在り方を見つめ直す場面。
「陽子自身が人を信じることと、人が陽子を裏切ることはなんの関係もないはずだ。」
裏切られることも信じてもらえないことも、辛いし寂しい。けれど、人生は他者の評価や感情で決定するのでは無い。自分が自分を信じ抜くこと。人間という種の愚かさや醜さを受け入れて、その中で強く生きること。
大人になってから初めて読んだけど、壮大なファンタジー小説の中にはとても心に響く主題あった。
陽子の人間的成長が主軸となっているからか、景麒救出はかなり大胆なカット割りがされていて、最後の余韻も含めて小野不由美先生の腕が光る作品だった。また楽俊に会いたい!
あとがきによると続編は麒麟視点とのこと。新作短編集が出るまでに既刊読み進めて行きたいな。
