糸太
@itota-tboyt5
2025年12月26日
奔馬
三島由紀夫
読み終わった
若者の内にある「純粋」は美しく、これ以上なく強く人を惹きつける。
でも、いざ誰かと分かち合おうとすると、簡単に穢されてしまう。瞬く間に強さは失われ、世の中に均されてしまう。
だから「純粋」をそのままの姿で捉えるには、本人からの働きかけが為されるより前に、周りにいる人間が自らのうちに見出してやる必要がある。
勲の同志たちもしかり。だから決起へと向かう際には、リーダーの掛け声よりも人智を超えた神の言葉が必要だった。
でも「宇気比」はおりてこず、結果的に心の「純粋」には蓋がされ、各々が持っていた悪か蒐められて「裏切り」を招くことになった。
いや、むしろ血盟こそが悪の本質なのでは、と勲は疑う。血盟とは「もう少しで真理に手を届かせようとしては死によって挫折して、又あらためて羊水の中の眠りからはじめなければならぬ、あの賽の河原のような人類的営為に対する、晴れやかな侮蔑だったのだ」
であれば、「純粋」は世の中にどう存在しうるのだろうか。
松枝清顕は死んだ。そして飯沼勲に転生し、「純粋」は本多の心の中に見出された。ここまではいいのだ。他人さえ巻き込まなければ。
さて、物語の次なる舞台はどこだろう。20年後と考えれば、サンフランシスコ平和条約あたり。そして第四巻は高度成長期になろうか。
そう単純に、転生ストーリーが続くとも限らないか。
面白すぎる。はやく第三巻に進もう。