
波
@namireads
2025年12月27日
黄色い家(上)
川上未映子
買った
かつて読んだ
川上未映子さんが以前、「夏物語」についてのインタビューで、生まれてくることは死ぬことと同じくらい取り返しがつかないことだと言っていて、それは今も忘れられない言葉。
生まれてしまったが最後。どんなに負け続けてもゴミみたいに踏み躙られても、お腹は減って食べて眠って生きていかなければならない。親も家も、生き方さえたぶん本当には選べない。
未映子さんはこの世界に溢れる美しくないものを剥き出しの言葉で書いてその中で、それでも美しいとしか言いようのないものを浮かび上がらせる。この本はお金について書かれた話だけど、それは心の話でもあった。たったひとつ誰にも奪われず、選んで守ることができるもの。そしてそれさえも捻じ曲げる力を持ちえるお金というものの圧倒的な強さ。
食べ物がいっぱいに詰まった冷蔵庫の思い出。自分のことを話さない黄美子さんが時々見せる呆けたような表情が忘れられない。

