八玖 "変な絵 (双葉文庫 う 23..." 2025年12月27日

八玖
八玖
@rock5104
2025年12月27日
変な絵 (双葉文庫 う 23-01)
著者が好きなので購入。  オモコロで書かれてる記事を切欠に雨穴さんにハマり、TV番組「何かおかしい」を視聴→変な家をWEB記事&コミカライズで読破したところちょうど変な絵が文庫化ということで購入し、その後積んでいたのだが、オモコロにて本書を読む記事が上がっていたので、急いで引っ張り出してきて読んだ。  変な家同様、さっくり読めて、しっかり面白かった。オマケの謎解きは最近気になっている第四境界コラボとのことで、こちらも嬉しい。子どもにあてたものという設定上か比較的簡単に解けたな〜と喜んでいたら、しっかりもう一段階上の解答が用意されていて脱帽。読了後、巻末のQRより「組曲:変な絵」を視聴したが、公式テーマソングだけあって随所に本書の内容を想起させる内容が盛り込まれており、こちらも併せて楽しめた。  ブログにアップされたイラスト、園児の描いた絵、殺人事件の被害者が遺したスケッチ……と各章に“変な絵”があり、それぞれの媒体や描き手、状況に応じたギミックを考察することで謎が解けていくのが楽しい。絵自体の謎は早めに明かされる一方で、各章を繋ぐ縦軸の全貌は少しずつ見えてくる形になっているのも、解決編のスッキリ感と残された謎への好奇心が同時に味わえて嬉しかった。  「守るものがあれば攻撃性を抑えて優しくなれる」のではなく「守るもののために攻撃的になってしまう」というのは面白い発想の転換だなと感じた。わざわざ最初に担当した患者だと明記してあるのも、経験を積んで類似ケースに触れていれば防げた誤診だったかもしれない、と嫌な気分になれて、とても良い。  一方で本書には、威圧的な教師・暴力的な父親でありながら生徒や息子への愛情があった三浦や、息子への純粋な愛情の裏で義母への殺意を押しつけていたことを匂わせたユキなど、二面性を感じさせる登場人物も多い。武司もまた、母に従順でありながら事件発覚前からブログでは母の存在を隠していたりと、内心を疑わせるところがある。直美の気質についても、どちらかが嘘でどちらかが本当というより、どちらも彼女という人間の一部だったのではないかとも感じた。  最初に守るために闘って勝利したことが成功体験になって歯止めが利かなくなってしまったのだろうかと考えたが、あそこで負けていたら虐待死という結末だったろうし、どちらにしても救われない。斜に構えすぎかもしれないが、最初の戦い自体も弟妹などではなくペットの鳥という、他者からすれば実の母親を殺す動機としては軽く見えるのも嫌な感じだな〜と思った(人間以外の命を粗末にしていいわけでは当然ないが)。
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