
袖
@colomode
2025年12月27日
休館日の彼女たち
八木詠美
かつて読んだ
文体が、好きで、好きで、くらくらする! 甘やかな酩酊感。
深夜、どこか遠くの知らない世界のラジオを、奇跡的にあったチューニングでひとり聴いているみたいな読み心地。
倒置法の多い、時にぶつ切れ感のあるセンテンスが、他者から遠い主人公の世界を表しているかのよう。そして意味深なメタファーで主人公の心理状態を掘り下げていくセンス。
言ってしまえば世界から隔絶された主人公が、ヴィーナスとの交流を通して、少しだけ壁を飛び越える話なわけだが、そんな陳腐なあらすじではこぼれ落ちるすばらしい世界観がある。
夢から覚めて、生身で世界に繰り出すようなエンディングも爽快でいいな。

