tenku "月の裏側" 2025年12月28日

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@tenku109
2025年12月28日
月の裏側
月の裏側
恩田陸
珈琲怪談が面白かったので、同じ主人公「塚崎多聞」が出てくる一作目を読んでみた。(ストーリーの繋がりは全く無い) すごく怖いとかではないのだけど(私的には)、不思議な読後感。 途中までは普通に読んでいて、終盤で登場人物の思考や行動がよくわからなくなって振り落とされた気がする。 (以下ネタバレ) あの変わり者扱いだった人は、何故あのタイミングで諦めてしまったのだろう。 多聞と高安さんは割とさくっと現状を受け入れたのに対し、藍子さんは一応自分で「盗まれる」ことを決意したはずなのに、どうして錯乱状態になってしまったのか。 男性と女性の違い、にしては、糸杉の家の女性は現状を受け入れてるっぽいんだよなぁ。 「盗まれた」後の藍子さんの一人称、あたしと私が混在してるのはさすがに意図的だよね。表記揺れにしては繰り返し出てくる。 (きちんと読み返していないので、それ以前にもあったかどうかはわからない) これは、「盗まれた」後の藍子さんの自我?自意識?が揺らいでる、何か別のものが混ざってる、みたいな表現なのかなぁ。 不穏なものを感じた。 多聞、ドライっていうかなんていうか…(言葉を失う) 【追記】 藍子さんと糸杉の家の女性との違いは、外部に身内が居るかどうか、かなぁ。 藍子さんには血を分けた息子がいて、その子や義母と自分は「同じ人間」だったのに、自分だけ「人間じゃない何か」になってしまった。拒絶されるかも、どうしよう。→みんな同じ存在になれば解決ね! という。 となると、多聞から「自分たちが本当に「盗まれ」ていないかどうか、実際に「盗まれ」て確かめてみよう!」というトンデモ理論をお出しされた時点で藍子さんはもう詰んでいたのか。その前から既に詰んでたかもしれないけど。 その辺まったく気にしていない多聞は心臓に毛が生えている。
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