橘海月 "栞と嘘の季節" 2024年11月15日

橘海月
橘海月
@amaretto319
2024年11月15日
栞と嘘の季節
栞と嘘の季節
米澤穂信
図書委員の堀川と松倉は、返却本の中に忘れ物を見つける。手作りの栞には、押し花にされたトリカブトが挟まれていて…。二人に絡む瀬野の強烈な印象は、まるでマイブロークンマリコの冒頭のようで、勢いがあってよかった。 栞の持ち主を探す三人が、それぞれについていた嘘が徐々に明らかになる様も見どころ。堀川の真っ直ぐさと異なる他の二人の環境は、知らない方がいいこともあると思わせられるもので。親しい相手に全てを聞かない優しさや誠実さもあると感じた。あれを「切り札」と表現する心情は痛いほどわかる。 前作である『本と鍵の季節』を含めて、堀川と松倉のつかず離れずの関係性が好きだ。親友というには遠く(続編である本作でも二人は互いに自宅を隠してる)委員同士というには近い。一緒に謎を解決する友人だが、本音やプライベートを隠す程度には心を許せていない。べったりではないのに信頼はある、不思議な関係。
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