
ハルタ
@haruta127
1900年1月1日
関東大震災新装版
吉村昭
読み始めた
読み終わった
関東大震災のことを調べているので読んだ。
時代と大地震に翻弄された二人の地震学者の話から始まり、その学者の死で終わる興味深い構成。
よくぞここまで調べられるものだと圧倒された。関東大震災とはもちろん大地震に始まったのだが、その被害の本質とは火災であっとことがわかる。火から逃げ惑う人々が人を踏み越えたり溺れたりする姿を読んで苦しくなる。
死体処理の章だけ気分が悪くなり飛ばしてしまった。
最初デマは次の大地震や津波のデマに始まり、社会主義者と朝鮮人の共謀というデマに移り、最終的に朝鮮人のデマだけが長期間かつ日本全国に広まってしまった過程がよくわかった。その過程を見ると、自然という対峙できないものから弱い者に対象を変えて、差別を前提として加害によって不安や怒りや絶望感を一時的に晴らしていた気がする。そして、デマに踊らされたり吹聴したりして殺害した人間たちが正当な罰を受けていないことに腹が立つ。そこでも朝鮮人と日本人をわけるのかと。
また、ある政党の党首が演説で被災者を鼓舞し、生き延びるために強盗団と呼べるグループをつくり、一般家庭から物資を強奪していたくだりが恐ろしかった。
関東大震災の基本文献として度々読み直そうと思う。地震の備えもしたくなる。