
橘海月
@amaretto319
2024年10月20日
スター
朝井リョウ
読み終わった
大学三年で映画賞を受賞した尚吾と絋。互いの得意を活かし撮り分けた作品は、縁ある老舗映画館で上映された。卒業後、映画監督の目標へと一歩踏み出した二人は、一見順風満帆に思えたが…。時代の流れとモヤモヤが微に入り細に入りこれでもかと描かれる。文句なしにおすすめ。
巨匠の元で助手として働く尚吾と、Youtubeの撮影・編集を頼まれる絋。互いの価値観の違いと進む道が異なるように思いつつ、後輩の泉が立ち上げたサロンには揃って懐疑的になるあたり似た物同士だなと感じる。様々な葛藤の中、あくまで映画館の上映に拘って配信に踏み切れない巨匠の心境が痛いほど刺さった。
ネットのブログにYoutubeを始めとした動画配信。「誰でも自由に意見を述べ、作品を配信できる」状況は、実はそれほど自由ではなく、再生数や登録者数など結局別の何かに縛られているだけなのかもしれない。また、自分の発信がダイレクトに利益を生み出す功罪もある。色々な引っかかりが葛藤を交えて丁寧に描かれてゆくが、話として結論がでないのがいい。