不眠屋框
@brotlose_lehrer
2025年10月17日
狂気の山脈にて
H・P・ラヴクラフト,
南條竹則
かつて読んだ
ラヴクラフトのクトゥルフ神話作品の1つ。
前半では探検隊の報告の端々から凄惨な悲劇が予感され、予想通りサイコサスペンスのようなオチを見るが、それに続く後半は全てのショックを吹き飛ばす威力を持つ圧巻の大作。
「そこにあるはずのないものがある」
「悪夢のような景色が目の前に広がっている」
というだけで充分に怖いし、その陰に潜む奇怪な生命の蠢きに寒気が止まらなくなる。
ラヴクラフト自身が海産物に異様な恐怖を感じていたというが、その恐怖がどれほどのものかを思い知らされる「生理的に無理」な生き物の数々が読者を慄かせる。
しかし、彼らには人類を凌駕する知能と文明があったことを認めた時、話は「無理」では済まなくなる。
彼らは人類を何だと見做しているのか、彼らの秘境に足を踏み入れた探検家2人の運命や如何に...
話には聞いていたが、ラヴクラフトとはこんなに面白い作家なのだとは知らなかった。
彼が若くして亡くなったことがつくづく悔やまれる。
