しろ
@shiro88
2025年12月30日
それでも旅に出るカフェ
近藤史恵
読み終わった
「それでも」 に込められた想い。
コロナ禍での ピリピリとした鬱々としたあの頃の「カフェ・ルーズ」が描かれています。
「旅」は、
もちろん物理的にその地を訪れ、風景や風や匂いや食べ物や人と直に触れ合うことなのだけれど、
移動することも直に触れ合うことも制限され躊躇されてしまった中で、
スィーツや飲み物で「旅」をする。
円(まどか)さんの作るメニューは、単なる現地のメニューの再現でなはなくて、遠い異国のその土地へのリスペクトがあふれてる。
そして、そのメニューに触れる瑛子(えいこ)さんの想像力…。
その国の人々の暮らしや文化、歴史に思いを馳せる、それもまた「旅」なんだと。
・・・・
また、この物語で印象的だったのは、家族との在り方。
家族の、じゃなくて 家族との。
もちろん温かく健やかな絆で信頼し合えるならば幸せだけれど。
家族が枷やしがらみや重荷になるならば、程よく距離を、という価値観。
・・・・
そして改めて、コロナのあの頃は、分断の日々だったなぁ… と思い出したりも。
・・・・
近藤史恵さんの、「皆まで語りすぎない」、つまりは読者に委ねてくれる描き方、やっぱり潔くて清々しいな。
