
橘海月
@amaretto319
2024年5月12日
星を編む
凪良ゆう
読み終わった
『汝、星のごとく』をベースに、裏話というより解決編のような「春に翔ぶ」スピンオフの「星を編む」賛否両論ありそうな続編「波を渡る」の三つ。表題作「星を編む」は櫂の漫画と小説を世に出そうと奮闘する編集者二人の物語。私はこれが一番好き。
「春に翔ぶ」は北原先生とその娘が暮らすまでに何があったのか、本編では最後にサラッと登場した元教え子とのやりとりがメイン。暁海と北原先生との出会いにも通じる先生の先生らしさと、研究者でいられなかった忸怩たる思いが垣間見られる。流されているようで、自身の選択を貫く先生らしさが良い。
「星を編む」は、櫂の漫画担当だった植木と、櫂に小説を書かせようとした二階堂(共に出世し編集長)が、櫂亡き後に作品を出そうと奮闘する話。それぞれの仕事に対する強い思いと、反比例する家庭での役割。周囲の心無い噂話を振り払いながらとにかく進む二階堂の、居酒屋での食べっぷりの描写がすごくいい。
「波を渡る」は、前作から時間が経った北原と暁海のその後だが、正直これは読みたくない読者もいそうだなと思った。前作が好きであればあるほど。歳を重ねることで子供は成長し大人は老いてゆく。関係性は変わり、人生は続く。あたりまえだが、櫂が亡くなってからの暁海の人生の方が長いのだ。
