
橘海月
@amaretto319
2024年5月5日
新しい星
彩瀬まる
読み終わった
大学を卒業し、それぞれの人生の岐路に立つ四人の物語。中でも生まれたばかりの娘を亡くし、親友が癌となる青子と、仕事を辞め実家で引きこもる玄也の葛藤が見につまされる。周囲から貼られる一方的なレッテルよりも、当人が抱える思いはもう少し複雑で機微に富むものだと感じる。
元合気道部の四人が再会する「海のかけら」は、玄也が家を出る一歩で、思いもよらぬタコを飼うきっかけともなる物語で、後の「サタディ・ドライブ」にも繋がる好きな話。青子と茅乃が山と温泉へ行く「蝶々ふわり」もよかった。良くも悪くも人生は流れてゆく。大人になり変わる関係性と変わらない重要性。
これまで就職で散らばった大学時代の友人達と、久しぶりに再会するのは互いの結婚式が多かった。そこにポツッと誰かの訃報が混ざることがあって、これからはきっとそっちの方が増えてゆく。変わりないものなんてないのに、つい変わらない前提でいてしまう自分に愕然とする。
