
橘海月
@amaretto319
2024年4月14日
午後のチャイムが鳴るまでは
阿津川辰海
読み終わった
#ミステリ
私立九十九ヶ丘高校を廻る五つの物語。連作短編集なので、ある人物が名前を変え何度も登場するのは途中で気がつく。文化祭を控え浮き足だった校内で、色々な物語が同時進行している様は懐かしさとほろ苦さが漂う。主観と客観のバランスがいい。
最初は軽いノリと学園物に、ちょっと読み進めるのは辛いかもと思ったが、消しゴムを利用したポーカーが俄然面白くて、カイジを読んでいるかのような臨場感が味わえた。ある人物が他者からこう見えるが、別の人からは全く違う存在なのも学校生活あるあるだよなぁと。私は最後の先生部分に一番共感する年齢だけど。
個人的にハリイ・ケメルマン『九マイルは遠すぎる』にチャレンジした「占いの館においで」が好み。独り言から謎解きへ誘うそれは、恩田陸『象と耳鳴り』でもあったし、推理の会話そのものを楽しむ西澤保彦『麦酒の家の冒険』も彷彿とさせる。私はミステリと同様にミステリ談義が、謎解きをするその過程が好きなんだろう。