ユメ "わたしがいなくなった世界に" 2025年12月15日

ユメ
ユメ
@yumeticmode
2025年12月15日
わたしがいなくなった世界に
待ちわびていた七海学園シリーズの新作、本当に読めてよかった。またしても七河迦南さんの筆力に圧倒されたし、物語というものの持つ力に胸が震えた。 本作の最大の仕掛けは、ビジュアルの存在しない小説という媒体だからこそ成立するように思う。そういうミステリに出会えると、小説好きとして胸が高鳴る。『鏡の国のアリス』が絡められているのも嬉しくなった。 同時に、終盤で真相が明かされ、ひとりの少女が懸命に生き抜いてきた世界の切実さが露わになったことには胸が痛んだ。彼女の、ひいては七海学園の子どもたちの未来に、少しでも多くの光が差しこみますようにと祈らずにはいられない。これまでの作品にも増して児童福祉についても考えさせられる一冊だった。困難に満ちた日々を生き抜く子どもたちの力と、その力を信じようとする主人公たち大人の誠実さが、深く心に刻まれる。
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