橘海月 "愚かな薔薇" 2024年1月6日

橘海月
橘海月
@amaretto319
2024年1月6日
愚かな薔薇
彼女の作品はジャンルがよくわからないものが多い。失礼を承知で述べると、著者自身でもよくわからないまま書き進めているからではないか。本作も昔からの言伝えや妖怪話のようでいて、急にSFとなり、また怪談となって…といった具合だ。だからこそ長い物語の間中読者を惹きつける。 主人公の奈智は「キャンプ」に参加するため磐座にやって来た。ここで集められた少年少女は変質を待ち、虚ろ舟乗りとなって宇宙へ飛び立つのだ…。序盤から「何を言ってるんだ?」とツッコミたくなる語句と真剣に語る人々に、主人公でなくともポカンとする。詳細がわかるにつれどこか淫靡な雰囲気が纏う。 変質した者は他者の血を欲すのあたり「これ!完全に吸血鬼やん!」となるものの、そこは恩田陸。簡単に一言で説明されはするものかと、次々に他の要素をぶち込んでくる。だから長くなるんだよ、一つの要素だけの物語を望む人もいるのでは?と思わなくもないが(かなり思ったが)著者の力技でなんとなくいい終わり感が漂い終焉。
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