
橘海月
@amaretto319
2024年3月3日
探偵が早すぎる (上)
井上真偽
読み終わった
#ミステリ
父の莫大な遺産を相続した高校生の一華は、父の腹違いの兄妹やその子達から命を狙われることに。唯一頼りになる家政婦の橋田から探偵の千曲川を紹介されるが、この探偵は事件を未然に防ぐ優れた能力を持っていて…。濃いキャラだけでなくちゃんとミステリだった。
ミステリの宿命として「どんなに優れた探偵でも事件の後にしか活躍できない」があったが、今作は犯人がどのような完全犯罪を目論んでいるかをわずかな手掛かりから推理し、未然に防ぐのが肝となっている。読者は犯人側の仕掛けを予想しつつ、探偵がどう謎解きするかを推理する。新しい趣向だなと思った。
一癖も二癖もある大陀羅家のキャラと対照的に、一華とその友人の普通さにほっとする。そして千曲川だけでなく家政婦の橋田も只者ではないのでは?と思わせたところのホロリとさせるラストと、ある意味キワモノとなりがちな設定で、主人公が地に足がついたリアルな存在となっていたのがよかった。