
橘海月
@amaretto319
2024年1月20日
絶唱
湊かなえ
読み終わった
1月17日の後、阪神淡路大震災の頃を思い起こしながら読んだ。震災により日常が非日常となった彼女達、被災地にボランティアとして関わったトンガの男性。彼らを結ぶ不思議な縁が、それぞれの思いで訪れたトンガで実を結ぶ。生き残った者の胸には贖罪が消えない。その切なさ。
震災に逢い大切な人を亡くしてもなお「自分は生き残ってしまった。大切な人のために何もできなかった。自分のせいで、誰かの運命を変えてしまった」と苦しむ気持ちはともすれば「所詮は自己満足。自分に酔ってる」のように非難されがちだ。ましてや「震災があったから出会えた」後ろめたさはどれほどか。ともすれば絶望感で一杯になりがちなその気持ちを、受け止めつつも違う視点がもてるような、著者なりの希望を込めたのだろうと思える物語。
