
橘海月
@amaretto319
2024年3月30日
名探偵のいけにえ
白井智之
読み終わった
#ミステリ
探偵の大塒は、カルト教祖ジム・ジョーデンの調査に行って戻らない助手のりり子(真の名探偵)を連れ戻すため、教団の村へと乗り込む。だが、同行した友人が目の前で射殺され、村でも次々と不可解な殺人が起こる。果たして犯人を見つけ、無事に帰れるのか…。
久しぶりに「全く結末が読めない」物語に出会えて、読みながらワクワクしつつ、え?ここでこうなったらこの先どうなるの?と心配も強かった。二転三転する推理、無理やりなトリックに頼ることなく、辻褄を合わせてくる謎解きはこれぞミステリの醍醐味。喉の奥の小骨のような違和感も、綺麗に回収してくれた。
それにしても、この本にはミステリ要素に加えて「カルト宗教の信者が周囲にいくら正論を言われても、意固地に教団の教えに縋りつく理由」が丁寧に描かれていてなかなか辛い。オウムの事件があった時にもなぜ?と問われていたが、あの世界でしか生きられない、居場所を確保できない人は確かに存在するのだという途方もなく重い現実。
