橘海月 "俺ではない炎上" 2024年3月10日

橘海月
橘海月
@amaretto319
2024年3月10日
俺ではない炎上
大手住宅会社勤務の山縣泰介は、自分を騙るアカウントの犯行自慢ツイートで、身に覚えのない殺人の疑いをかけられる。問題ツイートは瞬く間にバズり身元も特定され、妻と娘は実家へ。誰も信じてくれず警察と興味本位の人々に追われ、泰介は逃亡を余儀なくされる。 無実の罪で主人公が逃げ続ける作品というと、伊坂幸太郎『ゴールデンスランバー』を彷彿とさせるが、残念ながら青柳と違い泰介は全く人望がない。家族も同僚も泰介を疑い、頼りにした元部下からも拒絶される。だからこそ、後半で泰介が犯人ではないと言い切られるのと、その理由に胸が熱くなる。あの場面が一番よかった。 逃げ続ける泰介と同時に、RTした大学生、娘、刑事の視点と切替わるため、かすかな違和感を覚えつつも作者の仕掛けに気がつかず、終盤あれ?となった。そうか、そこがミソだったのか…。不思議だった点が腑に落ちるのと、やや力技では?と思わなくもないが、描写の秀逸さが上回る。これはぜひ一気読みで。
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