
橘海月
@amaretto319
2024年6月30日
アフター・サイレンス
本多孝好
読み終わった
五つの短編で、被害者家族のカウンセラーである唯子の仕事と人生が描かれる。カウンセラーとしての立場の難しさだけでなく「加害者家族」である彼女が抱えるそれは『氷点』で初めて知った原罪の言葉がぴったりで、途轍もなく重く逃れられない苦しみだ。仲上の存在とラストに救いがあり読後感は悪くない。
物語を読みながら、胸糞悪くなる場面が度々あった。それは犯罪の重さとは関係なく、そこにつけ込む悪意であったり、犯人側のどうしようもない無邪気さだったりするのだなと感じた。私が嫌悪するそれらを消す手段が相手の口を封じるしかないとすれば、その一線を踏み越えるのは案外容易いのかもしれないとも。
