
ヒナタ
@hinata625141
2025年12月30日
わたしもナグネだから
伊東順子
読み終わった
激動の母国を離れ海外で生きることを選んだ、もしくはそうせざるを得なかった韓国人たちへのインタビューを母体としたエッセイ。インタビュイーたちの波瀾万丈な人生に惹かれると同時に、それを語らせた伊東さんもすごいなと思う。
対馬に四三事件の被害者の遺体がたくさん流れ着いていたという話は初めて知った。
〈一九八〇年代、世界中で強権政治に反対する運動が起きていた。その中で韓国や台湾のように民主化を実現させた国もあれば、ミャンマーや中国のように民主化の夢が踏みにじられた国もあった。弾圧から逃れた人たちの一部は日本に、また民主化後の韓国にもやってきた。
第二次世界大戦後、アジアで曲がりなりにも民主主義的な制度を許されたのは日本だけだった。たとえ米占領軍から与えられたものだとしても、それが不完全な民主主義だったとしても(そもそも民主主義に完成形はなく、いつだって途上にある)、私たちには言論と表現の自由があった。そこに韓国も加わった。
今、アジアの民主主義にとって日韓の役割はとても重要だと思う。そうだ、私たちはアジアの民主主義のベースキャンプを作ろう。キムさんとそんな話をした。〉
これを読んで、日本の民主主義は日本に住む人だけのものではないんだな、と目が覚めるような気がした。日本はアジアの他国に対しては侵略したという負の歴史があるけれど、戦後は自分の政府も他の国も軍事政権の批判することのできる言論の自由を手に入れたし、軍事政権下で弾圧され国外に脱出せざるをえなかった韓国や中国やミャンマーの人びとを受け止めてきた歴史がある。そういうことを積み重ねてきたことには自信を持っていいはずだし、そういう歴史がもっとフューチャーされたらいいんじゃないかなと思った。
