
2α
@nyarnyamik
2025年12月30日
名前も呼べない
伊藤朱里
読み終わった
ここまでは私、ここからは私ではない貴方。
他者の存在を突きつけられる。
家族も恋人も友人も、どこまでも他人。
泣きたくなるような孤独と強さを感じる物語。
でも翻って、現実は私と他者はそんなに明確に区分されている?
ぼんやりと滲んだ輪郭が気持ち悪い。
とにかく登場人物のひとり、メリッサの魅力が際立つ。
メリッサがはっきりと他者を他者として区分しているのに、それを友人のためにないものにしようとしてくれたところとか。
ここに泣いている私がいて、泣き終わったら見える景色があって、それは泣きはじめる前となにひとつ変わらなくて、私はどんなに自分が最低でもそこに存在しつづけなくてはいけなくて、恥ずかしいとか申し訳ないとか、そんなつまらない理由で簡単に投げやりにしたり、いなくなったりしてはいけなかった。
だが、たまに訪れる幸福も、忘れがたい失敗も、過去になってしまえば振り向いてなにを思うかの違いでしかない。