
Sanae
@sanaemizushima
2025年12月30日
ケアの倫理とエンパワメント
小川公代
読み終わった
今年は個人的なケア元年。今年最後の読了となるであろう本を小川先生の本で締めくくる!
ケアを全てサービスで買おうとなると、とんでもない金額になる。病院や介護保険の代金を支払ってそれで終わり、ということでは決してない。その他諸々こそが大変なのであって、この“ケアの価値”を考えさせられる年でもあった。
わかった気にならない宙吊りのを状態を指す「ネガティヴ・ケイパビリティ」、
他者への想像力が及ぶ自己、開かれた存在を指す「多孔的な自己」、
身体を伴って経験する主観的な「カイロス的時間」、
男らしさ、女らしさという白黒ではない両性具有性
こういった提示が英文学から紐解かれていく小川先生の本に救われた。
ウルフは「人生もろもろの事実ーー結婚したり、子どもを産んだり、埋葬したりすることは最も重要でない事項である」と考えていた(p16)
普段、私より年上の人ばかりでなく、若い人であっても男性と女性と話している時に感じる性格差。結婚、子育て、介護の人生のウェイトが女性はとても重要なこととして語られていることが多く、かたや男性は本当にウェイトが低い。もっと男性の参画が増せばきっと女性にとっても重要度は低くなるんだろうなと思う。
それ故に共感し、印象的な箇所だった。
アーレントがコンラッド「闇の奥」の主人公クルツを指し
「骨の髄まで虚であり、無鉄砲だが意気地がなく、貪欲だが剛毅さはなく、残虐だが勇気はない」と記していることが紹介されていた。(p166)
メディアなどで人の話を聞く時に、勇気がある発言なのかどうか、ただ煽られているだけなのではないか、ということを気をつけていこうと思った箇所だった。
来年も良書にたくさん出会えますように。








