K.K.
@honnranu
2025年12月31日
猿
京極夏彦
読み終わった
京極夏彦
松永祐美は弁護士山川から曽祖母外田のうの死を報らさせ、岡山へ遺品整理に出かける。
序盤隆顕の言動は流石の筆致でうす不気味で良い。同じく相続人の立場の戸田芽衣は闊達で読んでて気持ち良い。尾崎という職員が現れてから、彼女の弁舌が長く続く。外田のうの生活圏袮山集落について事情を説明するところまでは良いが、早く村に到着しないかなと思う。
残り1/6でようやく村に到着。正体のつかない恐怖が祐美以外を襲う。オチはぶん投げたなと思うものの、小説の雰囲気は充分。書楼弔堂やヒトごろしに近いオチか。アンチ娯楽というか。コロナ禍や陰謀論や因習村といったタイムリーな単語が飛び交い、なっちの書く事は娯楽フィクションより世間に物申すみたいなそれなんだなと。天狗だか河童だかのインタビュー記事で世相を意識しては書かないみたいに言ってたのはなんだったんだ。
まず恐怖があり、菊人形や因習村や陰謀論を道具立てるプロセスを猿に仮託したのかなと思うけど、先に書いた通り読者を楽しませるものではない。いつもの京極節を感じたい人なら一見の価値ありか。