橘海月 "普通の子" 2025年1月6日

橘海月
橘海月
@amaretto319
2025年1月6日
普通の子
普通の子
朝比奈あすか
狭小住宅に住む美保と和弥、その一人息子の晴翔。どこにでもいる「普通」の家族だ。だがある日、小5の晴翔が学校のベランダから飛び降りて…。我が子がいじめに?と不安になる美保の胸に、小学校時代のいじめに関する嫌な記憶が蘇る。気軽に手に取ってしまったが、始業式の前日に読むには辛かった一冊。 この物語には全編通して、様々なタイプのいじめが描かれる。主人公美保の過去や、晴翔の現在もさることながら、息子への態度や他者には誠実そうな夫の和弥ですら、妻への言動にはいじめ的側面が垣間見える。皆自分だけは正義だと、もしくはそう行動しても「仕方ない」と思っている。そこに齟齬がある。 早い段階で、もしかして息子はいじめっこかもと薄々思うのみでなく、母もいじめ側かもしれないとは気づく。だがそこからが真骨頂というか、だからどうしていこうという肝心な部分がずっと曖昧で悩ましいまま話は進む。決してきれいに解決することなく、してたまるかという作者の決意すら感じた。
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