橘海月 "みんな蛍を殺したかった" 2025年4月19日

橘海月
橘海月
@amaretto319
2025年4月19日
みんな蛍を殺したかった
みんな蛍を殺したかった
木爾チレン,
紺野真弓
京都の女子校に転校してきた蛍。名前の通り、輝く黄緑がかった金色の髪をした彼女はとても美しく、生物部のオタクである雪、桜、栞は蛍の虜となった。内面も美しい蛍は彼らとの距離を急速に縮めるが、次第に歪みが生じ…。タイトルの意味が響いてくる話。 女子校という閉ざされた世界のヒエラルキーは、著者の二人一組に…にも通ずるが、こちらは三者三様のいわゆる「オタク」が登場する。彼らの事細かな描写がなかなか辛い。蛍がなぜ彼らに優しくするのか、その理由が蛍の死後わかるのだが、その壮絶な過去も辛い。だからこそ彼女の最後の行動が胸を打つ。 蛍が飛び交う川沿いで「美しさとは、希望なのだと思った」と彼女は言う。なんて残酷なのだろう。逃げ場のない学校、閉ざされた世界で美しくあることは武器なのだ。頭の良さや他の特技は+αとしては役にたつ。だが圧倒的な美しさの前にそれら単独では全く無力だ。過去高校生だった私はそれを知っている。
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