橘海月 "令和元年の人生ゲーム" 2025年4月20日

橘海月
橘海月
@amaretto319
2025年4月20日
令和元年の人生ゲーム
これは読み応えがあってよかった。 平成28年と31年、令和4年と5年の四部構成。語り手は交代するが、どの物語にも登場する沼田が重要な存在となっている。皮肉げな大学生だった沼田は皮肉げな新卒となり、数年を経ても変わらず皮肉げなサラリーマンだった。そして…。それぞれの語り口がバランス良く共感できる。 私は特に第二部の平成31年がよかった。沼田の同期となった主人公は、専業主婦である母の無償の愛に苦しみつつ、同期の友人に注いだ愛が一方通行であることに悩む。彼女が最後決断した「心休まる場所は、自分で作らなくては」には胸を打たれたし、彼女のこれからがいいものとなることを願わずにいられなかった。 この本が面白く読める人は、朝井リョウも読んだらきっと合うと思う。語り口調の軽快さといい、時代に合わせようと無理する若者に対する皮肉げな描写といい、両者に通ずるものがあるから。絶対に楽しめるだろうなと。
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