橘海月 "許されようとは思いません" 2025年7月19日

橘海月
橘海月
@amaretto319
2025年7月19日
許されようとは思いません
五つの独立した物語は、嫌な展開のピタゴラスイッチのようで、読みながら焦りが生じるものが多い。一番巧みな話は「目撃者はいなかった」で、身につまされるのは「姉のように」だった。 「目撃者はいなかった」は『汚れたてをそこで拭かない』を彷彿とさせる。ミスをしてしまった主人公が、なんとかバレずに挽回しようとしてよりドツボに嵌ってしまう。最初はただの失敗だったはずなのに、素直に非を認められないばかりに一線を超えてしまい、許されない過失となってゆく様が辛くリアル。 「姉のように」幼い頃から尊敬していた姉が犯罪者となり、夫やママ友から距離を置かれる主人公が娘の子育てで悩む話。ちゃんとしなきゃと思えば思うほど、幼い娘は思い通りにならず、自分が虐待してしまうのではと怯える様が辛い。あれ?これ私自身かな?と思える描写が多々あり、何度も背筋が凍った。
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