
橘海月
@amaretto319
2025年9月28日
本の背骨が最後に残る
斜線堂有紀
読み終わった
表紙からも伺えるように、ややグロテスクで不思議で耽美な物語。
人が本になる世界、一人一冊の禁を破った十(とお)は、両目を焼かれながらも10の物語の本となる。結末が異なる同じ物語が存在すると「版重ね」により、どちらかが誤植として業火に焚べられる。十が持つ物語は不思議にして悲しく残酷なものだった…。
冒頭から魔女裁判さながらの版重ねで、肉が焼ける描写からもうエグい。中で紡がれる物語も、耽美で残酷なので読み進めるのが正直辛いものも多かった。それでも昔話のような痛姫の話と、雨が個人の上にだけ降り続く話は胸を打たれた。あと、十が主張する姫人魚は、まるでミステリを読み解くようで面白かった。