橘海月 "霧をはらう" 2025年10月6日

橘海月
橘海月
@amaretto319
2025年10月6日
霧をはらう
霧をはらう
雫井脩介
いや〜面白い。まさに読みたいミステリがここにある。 小児科病棟で起こった点滴死傷事件、幼い子が二人犠牲になり、逮捕されたのは同室に娘が入院中の母親だった…。渦中の被疑者の長女と弁護士の視点から事件を追う、果たして母親は無罪なのか有罪なのか?最後の最後まで予測がつかず緊張しっ放しなのもよかった。 弁護するはずの被告人が、冤罪なのか狡猾な犯人なのか不明なまま弁護を続けるしかない状況は、著者の『火の粉』を彷彿とさせ、とても歯痒い。それだけに、被告人の姉妹の不器用さと純粋さに応援したくなる。逮捕されただけの加害者家族が、推定無罪とされない憤りや辛さの描写もリアルで、とても胸が痛い。 被告人である母親が、無責任でズボラでクセがある性格なのも、それで共感を得にくい状況に陥るのもまたリアルだった。
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