橘海月 "入れ子細工の夜" 2025年11月22日

橘海月
橘海月
@amaretto319
2025年11月22日
入れ子細工の夜
入れ子細工の夜
阿津川辰海
ノンシリーズの短編集。共通しているのはどの話もコロナ禍で、カウンターを一つ置きで座るとか、リモート誕生日会とか、描写に既に懐かしさすら感じる。各章に名作ミステリの引用があり、若竹七海や清水義範があって幾重にも楽しめる。 「危険な賭け」は、若竹七海へのオマージュでハードボイルドな探偵が登場し、ある手がかりの本を探すため古書店を巡るというもの。この“いかにも”な探偵すら伏線になっているのが見事。ビブリア古書堂シリーズで、古書店にも個性や特徴があると知った私には、古書店巡りの場面だけでもわくわくした。 タイトルを見て清水義範みたいと思ったらまさに彼のオマージュだった「ニ〇ニ一年度入試という題の推理小説」これはぜひ清水義範「国語入試問題必勝法」とセットで読んでほしい。ある大学の入試問題が犯人当て形式となり、実際に出題されるが…。予備校講師が大真面目に解く様や、ミステリ好きが丁寧に読み解くのもいい。オチも秀逸。
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